私の名はイベリコ……。

201504010001
 
そう、エオルゼアに生きる、何の変哲もないモーグリです。

得意なことは歌と踊り。

苦手なものはコルク栓とトウガラシです。

どうしてコルク栓とトウガラシが苦手かって?

それは、私の飼い主であるジェミー様が、それしか食べさせてくれないからです。

何故かは分かりません。

ある日、猫用カリカリを食べていた私に、ジェミー様はお聞きになりました。

「イベリコ~、あんたの嫌いなものって何?」

私はそれに答えてしまいました……。

「え? 嫌いなもの……そうですね。『食べられないもの』と『辛いもの』でしょうか」

次の日から、私の主食はコルク栓とトウガラシになりました。

さすがジェミー様! 的確にペットの弱点をついてこられます。

201504010002
 
このお方が、 私のご主人であるジェミー様です。

小さな体と可愛い顔をして、なかなか残酷なことをなさる暴君です

ジェミー様が開発し、リムサ・ロミンサのバックストリートに旋風を巻き起こした

「ハッピーパウダー」 を使用した商品は、今やあまりに有名ですね。

え? ハッピパウダーを知らない?

ふふ……違いますよ、アレではありません。

ハッピーターンにかけられている粉を元にしているのは確かですが……。

その製法は、私もよく知らないんです。



さて、無駄話はこれくらいにして、本題に入りましょう。

先日ジェミー様が、満面の笑顔でこうおっしゃいました。

「イベリコ~、あんたの処刑方法のアンケート結果が出たから」 

「えっ」

聞き返しました。

聞き返さないペットがいるなら、私はそいつにビンタをしてやりたいですね。

ジェミー様は満足気に頷きながら、こう続けられました。

「何かぁ、結構エオルゼアの民って残酷っていうかぁ。民主主義の闇っていうかぁ」 

「どうしてそんなギャルっぽいんで……ハッ!!」 

私は気づいてしまいました。

ジェミー様がギャル口調になる時は、何か悪いことを企んでいる時なのです!

嫌な予感しかしませんね。

ただでさえ、私の主食に、笑いながらコルク栓の煮込みを出してこられる方です。

出会った時から、私の肉を柔らかくするという理由で、私をひっぱたいてらっしゃる方です。

ジェミー様は、脂汗を浮かべた私にこんなものをお見せになりました。 



201504010003
 
イベリコの運命を決めるのは君だ!!



ええええええ!?

私の運命が民主主義の総意により、いつの間にか決定されているんですけど!

てゆうか丸焼きって!!!!

次点は大爆発じゃないですか!!!!

何してくれてるんですかあああ!!(∩'ω')∩

201504010012

「というわけだから、イベリコ……さよなら。美味しい肉になってね」 

ジェミー様がニヤリと笑います。

殺られる……!!!!

私はか弱いモーグリ。

民主主義の暴力には屈するしかありません。 

しかし……。

しかし……!!!!



気が付いたら、私はジェミー様の手を振り切り、一目散に逃げ出していました。

そう、私は現実から目を背け、彼女の元を飛び出してしまったのです……。



一匹になり、私はジェミー様との毎日を思い出していました。

思えば、極限まで虐げられていた気がします。

朝起きたらビンタされ、お腹が空いたとビンタされ、寝る前にビンタされ……。

201504010011

寝ぼけたジェミー様にアジアンバックブリーカーをかけられて背骨がズレたり。

コルク栓とトウガラシも、大概の気がします。

久しぶりにモーグリの里に帰って来た私は、とりあえず実家に向かいました。

「あらイベちゃん! どうしたの? お仕事は?」 

懐かしい声が聞こえました。

振り返るとそこには、私の母モーグリがいました。

私の両目から涙が溢れます。

……いつの間にか私は、今までのこの理不尽について。

煮えたぎるこの想いを母にぶちまけていました。

虐げられ続けたこの身。

そして最後は民主主義の総意により丸焼きにされかけている運命。

何故! 何故私ばかりこんな目に……。

◆ 

いつの間にか、私は実家のベッドで眠っていました。

ジェミー様の魔の手から逃れ……。

私は久しぶりに野宿ではない柔らかいベッドで眠りました。

そして、母モーグリの手料理……!

コルク栓の煮込み以外を食べたのは久しぶりです。

もうあんな暴君ララフェルのところに戻るまいと、私は心に決めました。

私にだって生きる権利があるのです!!



思い返せば……。

ジェミー様との出会いは、 数カ月前に遡ります。

黒衣森林でモルボルに襲われ、臭い息を全身に浴びて痙攣している私を……。

彼女は拾い上げて、洗ってから天日干しにしてくださいました。

異臭を放つモーグリを、嫌な顔ひとつせずに洗ってくださるその姿。

私はそこに、聖母の眼差しを見た気がしたのです。

息を吹き返した私に、ジェミー様はおっしゃいました。

「もう少し太らせたほうがいいかな……」

201504010010

いまだにその言葉の意味はよく分かりませんが……。

彼女はその日から、私をミニオン登録して連れ歩いてくださるようになりました。

201504010013

いつか……いつかこの助けて頂いた恩を返したい。

そう思い続けていましたが……。

ジェミー様は変わってしまいました。

日に日に私に対する仕打ちは苛烈さを増し……。

そして……。

丸焼きの指令。

私は悟ってしまいました。

ああ……この人は……私を食材としてしか見ていないんだなって……。



それから数年の時が過ぎました。

まともなモーグリとしての生活を取り戻した私は……。

レターモーグリとしての仕事に再就職し、新たなる一歩を踏み出しました。

そんな中、風の噂で聞いたのです。

「ハッピーパウダーの開発者投獄される!!」 

というニュースを……!!!!



ジェミー様だ……!!

頭に電流が走りました。

遂に……遂にイエロージャケットに捕まったのか……!! 

しかも投獄されたのは、地下の封印魔境……!!

一度ブチこまれたら、二度と出てこれない重罪人の牢獄です。



しかし、私にはもう……関係がないこと。

私は、いつもジェミー様がいた、場所……。

リムサ・ロミンサの街路樹の下を通りかかり、足を止めました。

あんな暴君、地下に封印されてもうでてこない方がいいんです。 

そう、きっと……その方が……。



その時、私は木の下に、半分腐ったコルク栓が落ちているのを見つけました。

これは……!!

ジェミー様が、 私によく食べさせていた……!!!

あのコルク栓……!!!

気づけば私は、コルク栓を手に取り、涙を流していました。

あのララフェルは暴君ですが……!

血も涙も無い悪党ですが……!!

私を優しく洗って、そして傍においてくれた…… 。

初めての「ご主人様」 だったのです……。

気づけば私は、コルク栓を握りしめ、地下牢獄に向かっていました。

この「レターモーグリ」の仕事を偽装すれば、地下牢獄の奥まで入れるはず!

行ってどうなるのか……それは分かりません。

しかし私は……。

あの暴君に……一言、ただ一言。

「逃げ出してごめんなさい」 

と謝りたくなったのです……!!



地下牢獄に忍び込み、郵便の配達と偽って、私は最下層まで潜り込みました。

暗く、太陽の光が届かない場所の更に奥……。

小さな牢屋の中に、ジェミー様はいました。

満足に食事を与えられていないのか、骨と皮だけのような姿で床に転がっていました。

「ジェミー様……!!」 

私は思わず声を上げて、牢屋の鉄格子の隙間を潜り抜けて駆け寄りました。

かつての暴君ララフェルは、光を失った目で私を見ました。

「フヘヘェ……イベリコの残像が見えるおおお……」

こっこれは……ハッピーの禁断症状!

こうなってしまってはもう、ジェミー様の精神は……!!!

しかし、私はここに忍び込む過程で荷物を看守にとられてしまい、何も持っていません。

せめて……せめて何か食べさせてあげられれば……!!



そして、私は決心しました。

そう、いつか果たせなかった使命。

この身を、ジェミー様のために捧げることを……!!! 



牢屋の中の藁を集めて焚き火を作ります。 

そして私は、床に転がって痙攣しているジェミー様を見て、こう言いました。

「貴女のこと……実は嫌いではありませんでした。どうか私を……」 

隠し持っていたマッチで、藁に火をつけます。

燃え盛る炎に、心を決めて私は飛び込みました。

「食べてください……!!」 



どれだけの時間が経ったのかは分かりません。

ふと、体を焼く炎の熱がなくなり、私は目を開けました。

そこには、巨大なモーグリがいました。

聖母のように温かい光を放つモーグリ……。

もしかして、モーグリの神様なのかもしれません。

そのモーグリはにっこりと笑い、言いました。

「心優しきモーグリ、イベリコよ……あなたの覚悟、しかと見せていただきました」 

覚悟……?

私は死んでしまったのでしょうか……。

「しかしこの結末は、あまりにも残酷……」 

巨大なモーグリは、しばらく考えた末言いました。

「イベリコよ……あなたの勇気ある行為に免じて、一回だけ、この私の力を使い……」 

えっ……?

「数年前の、あのララフェルが捕まる前に、あなたの魂を戻してさしあげましょう」 

そっそんなことが……本当にできるんですか!

「しかし、チャンスは一度きりです。その上で、彼女を見捨てるか、更生させるか…… 」

「決めるのはあなたですよ、イベリコ」 



光が私を包みます。

そして、私は目を開きました……。

「クポォ?」 

ここは……?

リムサ・ロミンサの街中……?

まっまさか……! 本当に私の魂だけが、過去に戻ったと……!!

「何してるのイベリコ! 今日もこの街の人達をしあわせにするんだから早くなさい!」 

こっこの声は……。

そこには、元気満タンな悪党ララフェル、ジェミー様の元気な姿がありました。

私の頬を一筋の涙が流れます。

良かった……まだあの暗い牢獄にブチこまれてない……。

そして私は決心しました。

ジェミー様のあんな未来を壊すために……。

私は、影からこのお方をサポートすると……!!!

「今行きますクポォ!」 

元気に返事をします。

そう、たとえ食事がコルク栓とトウガラシだけだとしても……。

私は、この方のペット。丸焼きになろうとも忠誠心は変わりません。

あの残酷な未来を変えるために……。

私は、この方を導いてみせる……!!!!

「クポォ!!」

私は空に向かって、大きく気合の雄叫びを上げたのでした。



Special Thanks for 光の戦士達 and イベリコ

To be Continued....!!



【スペシャル ショートストーリー 編集後記】

少し長くなってしまいましたが、二週間に渡るイベリコの末路アンケート。

その結果を含めたショートストーリーを書かせていただきました。 

いかがだったでしょうか~。

途中まで「解放」に票が集中していたのですが……。

何故か丸焼き勢が大勝利でしたね。

一応丸焼きにしましたが、満足していただければ幸いです( ˘ω˘ )

投票数114も二週間で頂いて恐縮でした!

FF14アンケートの注目度No,1にもなっていてビビりました。

また月替りアンケートということで、別なネタもかんがえておきます。

その際も投票をお願いしますねー!!! 



以下、みなさんから頂いたイベリコへの熱い思いです。



・丸焼き派

201504010004

何故そこまで丸焼きに執念をww

201504010005
 
お皿にはもれませんでしたが、一応丸焼きになりましたね。



・姿煮派

201504010006
 
カブトムシとクワガタを獲るために使いたかったようです。



・燻製派

201504010007
 
桜のスモークチップスでこげ茶色にしても良かったですね。



・大爆発派

201504010008
 
ゴーストタイプには効果が無いよ!!!

こちらも票を集めていました。



・解放派

※画像クリックで大きくなります。

201504010009
 
イベリコは今回解放されませんでしたが、まだまだ続きます!

これからの彼(彼女?) の戦いにもご注目です!!



【普通の日記】

イン直後神を呼びだそうとするジェミさん。

201504010014

残像だったようです(´・ω・`)ぷぅ

201504010015
 
特にオチを考えてなかった最悪なパターン。



この日もジェミさんの具合はかなり悪かったようです。

201504010016
 
トンカツはちょっと体に合わなくて、戻したりしてました;

なかなか体調が安定しませんね、最近。

201504010017
 
ミトさんがからあげをくれました。 

鬼畜ですね。いいと思います。

201504010018
 
レモンで応戦します。

ビッシャァ!

201504010019
 
早く寝ないと、からあげをブチこまれるようです。

201504010020
 
準備OK!!

201504010021
 
雄叫びを上げしララフェル。

201504010022
 
レモン汁をかけたことがアダになりました。

産みの苦しみ!!



数十分後、ミトさんがイシュガルド防衛戦より戻られました。

201504010023
 
ひいいこれ以上ブチこまれたら爆発しちゃうよおおお!!



FF13の話。

アフロの人に興味はありましたが、実はやってないです。

201504010024
 
私の求めるアフロではなかった。

201504010029

そいつが何をしたっていうねん……。



ライトニングさんをよく知らないので、ミラさんがコスを見せてくださいました。

201504010025
 
ミニすぎるでしょう。

201504010026
 
パンツ丸見えやーん。

201504010027
 
まったくです。

201504010028
 
エロス!!

201504010030

GOOD!!



弟の部屋のエロ本を読んでみました。

201504010031

溶けるぱんつ!!!

201504010032
 
弟の部屋のエロ本は50音順に並んでます。

201504010033

それはそれで狂気を感じる。
 
201504010034
 
近親相姦ものと、戦いに敗れて陵辱される系が多いです。

変態!!



今日はエイプリルフールでしたが、イベリコSSで力尽きました;

201504010035
 
特に嘘をつかずに、今日という日を享受したいと思います。

これからもほうせき箱ブログをよろしくお願いしますうう!



【ねこプロ連絡網】

土曜日 4月4日の22時から、ジェミさんはフェンリル鯖に出張します。
詳細を知りたい方は、言ってくだし!




ねこさんプロダクションの募集は一時停止中でっす!!



ブログランキング!
気軽にぽちっとな! ランキングが上がりますぞ~。

クリッククリックぅ!

ランキングバナー
 


過去ログまとめはこちら!!

201503230002