私の名はイベリコ……。
そう、エオルゼアに生きる、何の変哲もないモーグリです。
得意なことは歌と踊り。
苦手なものはコルク栓とトウガラシです。
どうしてコルク栓とトウガラシが苦手かって?
それは、私の飼い主であるジェミー様が、それしか食べさせてくれないからです。
何故かは分かりません。
ある日、猫用カリカリを食べていた私に、ジェミー様はお聞きになりました。
「イベリコ~、あんたの嫌いなものって何?」
私はそれに答えてしまいました……。
「え? 嫌いなもの……そうですね。『食べられないもの』と『辛いもの』でしょうか」
次の日から、私の主食はコルク栓とトウガラシになりました。
さすがジェミー様! 的確にペットの弱点をついてこられます。
このお方が、 私のご主人であるジェミー様です。
小さな体と可愛い顔をして、なかなか残酷なことをなさる暴君です。
ジェミー様が開発し、リムサ・ロミンサのバックストリートに旋風を巻き起こした
「ハッピーパウダー」 を使用した商品は、今やあまりに有名ですね。
え? ハッピパウダーを知らない?
ふふ……違いますよ、アレではありません。
ハッピーターンにかけられている粉を元にしているのは確かですが……。
その製法は、私もよく知らないんです。
◆
さて、無駄話はこれくらいにして、本題に入りましょう。
先日ジェミー様が、満面の笑顔でこうおっしゃいました。
「イベリコ~、あんたの処刑方法のアンケート結果が出たから」
「えっ」
聞き返しました。
聞き返さないペットがいるなら、私はそいつにビンタをしてやりたいですね。
ジェミー様は満足気に頷きながら、こう続けられました。
「何かぁ、結構エオルゼアの民って残酷っていうかぁ。民主主義の闇っていうかぁ」
「どうしてそんなギャルっぽいんで……ハッ!!」
私は気づいてしまいました。
ジェミー様がギャル口調になる時は、何か悪いことを企んでいる時なのです!
嫌な予感しかしませんね。
ただでさえ、私の主食に、笑いながらコルク栓の煮込みを出してこられる方です。
出会った時から、私の肉を柔らかくするという理由で、私をひっぱたいてらっしゃる方です。
ジェミー様は、脂汗を浮かべた私にこんなものをお見せになりました。
◆
イベリコの運命を決めるのは君だ!!
◆
ええええええ!?
私の運命が民主主義の総意により、いつの間にか決定されているんですけど!
てゆうか丸焼きって!!!!
次点は大爆発じゃないですか!!!!
何してくれてるんですかあああ!!(∩'ω')∩
「というわけだから、イベリコ……さよなら。美味しい肉になってね」
ジェミー様がニヤリと笑います。
殺られる……!!!!
私はか弱いモーグリ。
民主主義の暴力には屈するしかありません。
しかし……。
しかし……!!!!
◆
気が付いたら、私はジェミー様の手を振り切り、一目散に逃げ出していました。
そう、私は現実から目を背け、彼女の元を飛び出してしまったのです……。
◆
一匹になり、私はジェミー様との毎日を思い出していました。
思えば、極限まで虐げられていた気がします。
朝起きたらビンタされ、お腹が空いたとビンタされ、寝る前にビンタされ……。
寝ぼけたジェミー様にアジアンバックブリーカーをかけられて背骨がズレたり。
コルク栓とトウガラシも、大概の気がします。
久しぶりにモーグリの里に帰って来た私は、とりあえず実家に向かいました。
「あらイベちゃん! どうしたの? お仕事は?」
懐かしい声が聞こえました。
振り返るとそこには、私の母モーグリがいました。
私の両目から涙が溢れます。
……いつの間にか私は、今までのこの理不尽について。
煮えたぎるこの想いを母にぶちまけていました。
虐げられ続けたこの身。
そして最後は民主主義の総意により丸焼きにされかけている運命。
何故! 何故私ばかりこんな目に……。
◆
いつの間にか、私は実家のベッドで眠っていました。
ジェミー様の魔の手から逃れ……。
私は久しぶりに野宿ではない柔らかいベッドで眠りました。
そして、母モーグリの手料理……!
コルク栓の煮込み以外を食べたのは久しぶりです。
もうあんな暴君ララフェルのところに戻るまいと、私は心に決めました。
私にだって生きる権利があるのです!!
◆
思い返せば……。
ジェミー様との出会いは、 数カ月前に遡ります。
黒衣森林でモルボルに襲われ、臭い息を全身に浴びて痙攣している私を……。
彼女は拾い上げて、洗ってから天日干しにしてくださいました。
異臭を放つモーグリを、嫌な顔ひとつせずに洗ってくださるその姿。
私はそこに、聖母の眼差しを見た気がしたのです。
息を吹き返した私に、ジェミー様はおっしゃいました。
「もう少し太らせたほうがいいかな……」
いまだにその言葉の意味はよく分かりませんが……。
彼女はその日から、私をミニオン登録して連れ歩いてくださるようになりました。
いつか……いつかこの助けて頂いた恩を返したい。
そう思い続けていましたが……。
ジェミー様は変わってしまいました。
日に日に私に対する仕打ちは苛烈さを増し……。
そして……。
丸焼きの指令。
私は悟ってしまいました。
ああ……この人は……私を食材としてしか見ていないんだなって……。
◆
それから数年の時が過ぎました。
まともなモーグリとしての生活を取り戻した私は……。
レターモーグリとしての仕事に再就職し、新たなる一歩を踏み出しました。
そんな中、風の噂で聞いたのです。
「ハッピーパウダーの開発者投獄される!!」
というニュースを……!!!!
◆
ジェミー様だ……!!
頭に電流が走りました。
遂に……遂にイエロージャケットに捕まったのか……!!
しかも投獄されたのは、地下の封印魔境……!!
一度ブチこまれたら、二度と出てこれない重罪人の牢獄です。
◆
しかし、私にはもう……関係がないこと。
私は、いつもジェミー様がいた、場所……。
リムサ・ロミンサの街路樹の下を通りかかり、足を止めました。
あんな暴君、地下に封印されてもうでてこない方がいいんです。
そう、きっと……その方が……。
◆
その時、私は木の下に、半分腐ったコルク栓が落ちているのを見つけました。
これは……!!
ジェミー様が、 私によく食べさせていた……!!!
あのコルク栓……!!!
気づけば私は、コルク栓を手に取り、涙を流していました。
あのララフェルは暴君ですが……!
血も涙も無い悪党ですが……!!
私を優しく洗って、そして傍においてくれた…… 。
初めての「ご主人様」 だったのです……。
気づけば私は、コルク栓を握りしめ、地下牢獄に向かっていました。
この「レターモーグリ」の仕事を偽装すれば、地下牢獄の奥まで入れるはず!
行ってどうなるのか……それは分かりません。
しかし私は……。
あの暴君に……一言、ただ一言。
「逃げ出してごめんなさい」
と謝りたくなったのです……!!
◆
地下牢獄に忍び込み、郵便の配達と偽って、私は最下層まで潜り込みました。
暗く、太陽の光が届かない場所の更に奥……。
小さな牢屋の中に、ジェミー様はいました。
満足に食事を与えられていないのか、骨と皮だけのような姿で床に転がっていました。
「ジェミー様……!!」
私は思わず声を上げて、牢屋の鉄格子の隙間を潜り抜けて駆け寄りました。
かつての暴君ララフェルは、光を失った目で私を見ました。
「フヘヘェ……イベリコの残像が見えるおおお……」
こっこれは……ハッピーの禁断症状!
こうなってしまってはもう、ジェミー様の精神は……!!!
しかし、私はここに忍び込む過程で荷物を看守にとられてしまい、何も持っていません。
せめて……せめて何か食べさせてあげられれば……!!
◆
そして、私は決心しました。
そう、いつか果たせなかった使命。
この身を、ジェミー様のために捧げることを……!!!
◆
牢屋の中の藁を集めて焚き火を作ります。
そして私は、床に転がって痙攣しているジェミー様を見て、こう言いました。
「貴女のこと……実は嫌いではありませんでした。どうか私を……」
隠し持っていたマッチで、藁に火をつけます。
燃え盛る炎に、心を決めて私は飛び込みました。
「食べてください……!!」
◆
どれだけの時間が経ったのかは分かりません。
ふと、体を焼く炎の熱がなくなり、私は目を開けました。
そこには、巨大なモーグリがいました。
聖母のように温かい光を放つモーグリ……。
もしかして、モーグリの神様なのかもしれません。
そのモーグリはにっこりと笑い、言いました。
「心優しきモーグリ、イベリコよ……あなたの覚悟、しかと見せていただきました」
覚悟……?
私は死んでしまったのでしょうか……。
「しかしこの結末は、あまりにも残酷……」
巨大なモーグリは、しばらく考えた末言いました。
「イベリコよ……あなたの勇気ある行為に免じて、一回だけ、この私の力を使い……」
えっ……?
「数年前の、あのララフェルが捕まる前に、あなたの魂を戻してさしあげましょう」
そっそんなことが……本当にできるんですか!
「しかし、チャンスは一度きりです。その上で、彼女を見捨てるか、更生させるか…… 」
「決めるのはあなたですよ、イベリコ」
◆
光が私を包みます。
そして、私は目を開きました……。
「クポォ?」
ここは……?
リムサ・ロミンサの街中……?
まっまさか……! 本当に私の魂だけが、過去に戻ったと……!!
「何してるのイベリコ! 今日もこの街の人達をしあわせにするんだから早くなさい!」
こっこの声は……。
そこには、元気満タンな悪党ララフェル、ジェミー様の元気な姿がありました。
私の頬を一筋の涙が流れます。
良かった……まだあの暗い牢獄にブチこまれてない……。
そして私は決心しました。
ジェミー様のあんな未来を壊すために……。
私は、影からこのお方をサポートすると……!!!
「今行きますクポォ!」
元気に返事をします。
そう、たとえ食事がコルク栓とトウガラシだけだとしても……。
私は、この方のペット。丸焼きになろうとも忠誠心は変わりません。
あの残酷な未来を変えるために……。
私は、この方を導いてみせる……!!!!
「クポォ!!」
私は空に向かって、大きく気合の雄叫びを上げたのでした。
◆
Special Thanks for 光の戦士達 and イベリコ
To be Continued....!!
◆
【スペシャル ショートストーリー 編集後記】
少し長くなってしまいましたが、二週間に渡るイベリコの末路アンケート。
その結果を含めたショートストーリーを書かせていただきました。
いかがだったでしょうか~。
途中まで「解放」に票が集中していたのですが……。
何故か丸焼き勢が大勝利でしたね。
一応丸焼きにしましたが、満足していただければ幸いです( ˘ω˘ )
投票数114も二週間で頂いて恐縮でした!
FF14アンケートの注目度No,1にもなっていてビビりました。
また月替りアンケートということで、別なネタもかんがえておきます。
その際も投票をお願いしますねー!!!
◆
以下、みなさんから頂いたイベリコへの熱い思いです。
◆
・丸焼き派
何故そこまで丸焼きに執念をww
お皿にはもれませんでしたが、一応丸焼きになりましたね。
◆
・姿煮派
カブトムシとクワガタを獲るために使いたかったようです。
◆
・燻製派
桜のスモークチップスでこげ茶色にしても良かったですね。
◆
・大爆発派
ゴーストタイプには効果が無いよ!!!
こちらも票を集めていました。
◆
・解放派
※画像クリックで大きくなります。
イベリコは今回解放されませんでしたが、まだまだ続きます!
これからの彼(彼女?) の戦いにもご注目です!!
◆
【普通の日記】
イン直後神を呼びだそうとするジェミさん。
残像だったようです(´・ω・`)ぷぅ
特にオチを考えてなかった最悪なパターン。
◆
この日もジェミさんの具合はかなり悪かったようです。
トンカツはちょっと体に合わなくて、戻したりしてました;
なかなか体調が安定しませんね、最近。
ミトさんがからあげをくれました。
鬼畜ですね。いいと思います。
レモンで応戦します。
ビッシャァ!
早く寝ないと、からあげをブチこまれるようです。
準備OK!!
雄叫びを上げしララフェル。
レモン汁をかけたことがアダになりました。
産みの苦しみ!!
◆
数十分後、ミトさんがイシュガルド防衛戦より戻られました。
ひいいこれ以上ブチこまれたら爆発しちゃうよおおお!!
◆
FF13の話。
アフロの人に興味はありましたが、実はやってないです。
私の求めるアフロではなかった。
そいつが何をしたっていうねん……。
◆
ライトニングさんをよく知らないので、ミラさんがコスを見せてくださいました。
ミニすぎるでしょう。
パンツ丸見えやーん。
まったくです。
エロス!!
GOOD!!
◆
弟の部屋のエロ本を読んでみました。
溶けるぱんつ!!!
弟の部屋のエロ本は50音順に並んでます。
それはそれで狂気を感じる。
近親相姦ものと、戦いに敗れて陵辱される系が多いです。
変態!!
◆
今日はエイプリルフールでしたが、イベリコSSで力尽きました;
特に嘘をつかずに、今日という日を享受したいと思います。
これからもほうせき箱ブログをよろしくお願いしますうう!
★
【ねこプロ連絡網】
土曜日 4月4日の22時から、ジェミさんはフェンリル鯖に出張します。
詳細を知りたい方は、言ってくだし!
★
★
過去ログまとめはこちら!!
そう、エオルゼアに生きる、何の変哲もないモーグリです。
得意なことは歌と踊り。
苦手なものはコルク栓とトウガラシです。
どうしてコルク栓とトウガラシが苦手かって?
それは、私の飼い主であるジェミー様が、それしか食べさせてくれないからです。
何故かは分かりません。
ある日、猫用カリカリを食べていた私に、ジェミー様はお聞きになりました。
「イベリコ~、あんたの嫌いなものって何?」
私はそれに答えてしまいました……。
「え? 嫌いなもの……そうですね。『食べられないもの』と『辛いもの』でしょうか」
次の日から、私の主食はコルク栓とトウガラシになりました。
さすがジェミー様! 的確にペットの弱点をついてこられます。
このお方が、 私のご主人であるジェミー様です。
小さな体と可愛い顔をして、なかなか残酷なことをなさる暴君です。
ジェミー様が開発し、リムサ・ロミンサのバックストリートに旋風を巻き起こした
「ハッピーパウダー」 を使用した商品は、今やあまりに有名ですね。
え? ハッピパウダーを知らない?
ふふ……違いますよ、アレではありません。
ハッピーターンにかけられている粉を元にしているのは確かですが……。
その製法は、私もよく知らないんです。
◆
さて、無駄話はこれくらいにして、本題に入りましょう。
先日ジェミー様が、満面の笑顔でこうおっしゃいました。
「イベリコ~、あんたの処刑方法のアンケート結果が出たから」
「えっ」
聞き返しました。
聞き返さないペットがいるなら、私はそいつにビンタをしてやりたいですね。
ジェミー様は満足気に頷きながら、こう続けられました。
「何かぁ、結構エオルゼアの民って残酷っていうかぁ。民主主義の闇っていうかぁ」
「どうしてそんなギャルっぽいんで……ハッ!!」
私は気づいてしまいました。
ジェミー様がギャル口調になる時は、何か悪いことを企んでいる時なのです!
嫌な予感しかしませんね。
ただでさえ、私の主食に、笑いながらコルク栓の煮込みを出してこられる方です。
出会った時から、私の肉を柔らかくするという理由で、私をひっぱたいてらっしゃる方です。
ジェミー様は、脂汗を浮かべた私にこんなものをお見せになりました。
◆
イベリコの運命を決めるのは君だ!!
◆
ええええええ!?
私の運命が民主主義の総意により、いつの間にか決定されているんですけど!
てゆうか丸焼きって!!!!
次点は大爆発じゃないですか!!!!
何してくれてるんですかあああ!!(∩'ω')∩
「というわけだから、イベリコ……さよなら。美味しい肉になってね」
ジェミー様がニヤリと笑います。
殺られる……!!!!
私はか弱いモーグリ。
民主主義の暴力には屈するしかありません。
しかし……。
しかし……!!!!
◆
気が付いたら、私はジェミー様の手を振り切り、一目散に逃げ出していました。
そう、私は現実から目を背け、彼女の元を飛び出してしまったのです……。
◆
一匹になり、私はジェミー様との毎日を思い出していました。
思えば、極限まで虐げられていた気がします。
朝起きたらビンタされ、お腹が空いたとビンタされ、寝る前にビンタされ……。
寝ぼけたジェミー様にアジアンバックブリーカーをかけられて背骨がズレたり。
コルク栓とトウガラシも、大概の気がします。
久しぶりにモーグリの里に帰って来た私は、とりあえず実家に向かいました。
「あらイベちゃん! どうしたの? お仕事は?」
懐かしい声が聞こえました。
振り返るとそこには、私の母モーグリがいました。
私の両目から涙が溢れます。
……いつの間にか私は、今までのこの理不尽について。
煮えたぎるこの想いを母にぶちまけていました。
虐げられ続けたこの身。
そして最後は民主主義の総意により丸焼きにされかけている運命。
何故! 何故私ばかりこんな目に……。
◆
いつの間にか、私は実家のベッドで眠っていました。
ジェミー様の魔の手から逃れ……。
私は久しぶりに野宿ではない柔らかいベッドで眠りました。
そして、母モーグリの手料理……!
コルク栓の煮込み以外を食べたのは久しぶりです。
もうあんな暴君ララフェルのところに戻るまいと、私は心に決めました。
私にだって生きる権利があるのです!!
◆
思い返せば……。
ジェミー様との出会いは、 数カ月前に遡ります。
黒衣森林でモルボルに襲われ、臭い息を全身に浴びて痙攣している私を……。
彼女は拾い上げて、洗ってから天日干しにしてくださいました。
異臭を放つモーグリを、嫌な顔ひとつせずに洗ってくださるその姿。
私はそこに、聖母の眼差しを見た気がしたのです。
息を吹き返した私に、ジェミー様はおっしゃいました。
「もう少し太らせたほうがいいかな……」
いまだにその言葉の意味はよく分かりませんが……。
彼女はその日から、私をミニオン登録して連れ歩いてくださるようになりました。
いつか……いつかこの助けて頂いた恩を返したい。
そう思い続けていましたが……。
ジェミー様は変わってしまいました。
日に日に私に対する仕打ちは苛烈さを増し……。
そして……。
丸焼きの指令。
私は悟ってしまいました。
ああ……この人は……私を食材としてしか見ていないんだなって……。
◆
それから数年の時が過ぎました。
まともなモーグリとしての生活を取り戻した私は……。
レターモーグリとしての仕事に再就職し、新たなる一歩を踏み出しました。
そんな中、風の噂で聞いたのです。
「ハッピーパウダーの開発者投獄される!!」
というニュースを……!!!!
◆
ジェミー様だ……!!
頭に電流が走りました。
遂に……遂にイエロージャケットに捕まったのか……!!
しかも投獄されたのは、地下の封印魔境……!!
一度ブチこまれたら、二度と出てこれない重罪人の牢獄です。
◆
しかし、私にはもう……関係がないこと。
私は、いつもジェミー様がいた、場所……。
リムサ・ロミンサの街路樹の下を通りかかり、足を止めました。
あんな暴君、地下に封印されてもうでてこない方がいいんです。
そう、きっと……その方が……。
◆
その時、私は木の下に、半分腐ったコルク栓が落ちているのを見つけました。
これは……!!
ジェミー様が、 私によく食べさせていた……!!!
あのコルク栓……!!!
気づけば私は、コルク栓を手に取り、涙を流していました。
あのララフェルは暴君ですが……!
血も涙も無い悪党ですが……!!
私を優しく洗って、そして傍においてくれた…… 。
初めての「ご主人様」 だったのです……。
気づけば私は、コルク栓を握りしめ、地下牢獄に向かっていました。
この「レターモーグリ」の仕事を偽装すれば、地下牢獄の奥まで入れるはず!
行ってどうなるのか……それは分かりません。
しかし私は……。
あの暴君に……一言、ただ一言。
「逃げ出してごめんなさい」
と謝りたくなったのです……!!
◆
地下牢獄に忍び込み、郵便の配達と偽って、私は最下層まで潜り込みました。
暗く、太陽の光が届かない場所の更に奥……。
小さな牢屋の中に、ジェミー様はいました。
満足に食事を与えられていないのか、骨と皮だけのような姿で床に転がっていました。
「ジェミー様……!!」
私は思わず声を上げて、牢屋の鉄格子の隙間を潜り抜けて駆け寄りました。
かつての暴君ララフェルは、光を失った目で私を見ました。
「フヘヘェ……イベリコの残像が見えるおおお……」
こっこれは……ハッピーの禁断症状!
こうなってしまってはもう、ジェミー様の精神は……!!!
しかし、私はここに忍び込む過程で荷物を看守にとられてしまい、何も持っていません。
せめて……せめて何か食べさせてあげられれば……!!
◆
そして、私は決心しました。
そう、いつか果たせなかった使命。
この身を、ジェミー様のために捧げることを……!!!
◆
牢屋の中の藁を集めて焚き火を作ります。
そして私は、床に転がって痙攣しているジェミー様を見て、こう言いました。
「貴女のこと……実は嫌いではありませんでした。どうか私を……」
隠し持っていたマッチで、藁に火をつけます。
燃え盛る炎に、心を決めて私は飛び込みました。
「食べてください……!!」
◆
どれだけの時間が経ったのかは分かりません。
ふと、体を焼く炎の熱がなくなり、私は目を開けました。
そこには、巨大なモーグリがいました。
聖母のように温かい光を放つモーグリ……。
もしかして、モーグリの神様なのかもしれません。
そのモーグリはにっこりと笑い、言いました。
「心優しきモーグリ、イベリコよ……あなたの覚悟、しかと見せていただきました」
覚悟……?
私は死んでしまったのでしょうか……。
「しかしこの結末は、あまりにも残酷……」
巨大なモーグリは、しばらく考えた末言いました。
「イベリコよ……あなたの勇気ある行為に免じて、一回だけ、この私の力を使い……」
えっ……?
「数年前の、あのララフェルが捕まる前に、あなたの魂を戻してさしあげましょう」
そっそんなことが……本当にできるんですか!
「しかし、チャンスは一度きりです。その上で、彼女を見捨てるか、更生させるか…… 」
「決めるのはあなたですよ、イベリコ」
◆
光が私を包みます。
そして、私は目を開きました……。
「クポォ?」
ここは……?
リムサ・ロミンサの街中……?
まっまさか……! 本当に私の魂だけが、過去に戻ったと……!!
「何してるのイベリコ! 今日もこの街の人達をしあわせにするんだから早くなさい!」
こっこの声は……。
そこには、元気満タンな悪党ララフェル、ジェミー様の元気な姿がありました。
私の頬を一筋の涙が流れます。
良かった……まだあの暗い牢獄にブチこまれてない……。
そして私は決心しました。
ジェミー様のあんな未来を壊すために……。
私は、影からこのお方をサポートすると……!!!
「今行きますクポォ!」
元気に返事をします。
そう、たとえ食事がコルク栓とトウガラシだけだとしても……。
私は、この方のペット。丸焼きになろうとも忠誠心は変わりません。
あの残酷な未来を変えるために……。
私は、この方を導いてみせる……!!!!
「クポォ!!」
私は空に向かって、大きく気合の雄叫びを上げたのでした。
◆
Special Thanks for 光の戦士達 and イベリコ
To be Continued....!!
◆
【スペシャル ショートストーリー 編集後記】
少し長くなってしまいましたが、二週間に渡るイベリコの末路アンケート。
その結果を含めたショートストーリーを書かせていただきました。
いかがだったでしょうか~。
途中まで「解放」に票が集中していたのですが……。
何故か丸焼き勢が大勝利でしたね。
一応丸焼きにしましたが、満足していただければ幸いです( ˘ω˘ )
投票数114も二週間で頂いて恐縮でした!
FF14アンケートの注目度No,1にもなっていてビビりました。
また月替りアンケートということで、別なネタもかんがえておきます。
その際も投票をお願いしますねー!!!
◆
以下、みなさんから頂いたイベリコへの熱い思いです。
◆
・丸焼き派
何故そこまで丸焼きに執念をww
お皿にはもれませんでしたが、一応丸焼きになりましたね。
◆
・姿煮派
カブトムシとクワガタを獲るために使いたかったようです。
◆
・燻製派
桜のスモークチップスでこげ茶色にしても良かったですね。
◆
・大爆発派
ゴーストタイプには効果が無いよ!!!
こちらも票を集めていました。
◆
・解放派
※画像クリックで大きくなります。
イベリコは今回解放されませんでしたが、まだまだ続きます!
これからの彼(彼女?) の戦いにもご注目です!!
◆
【普通の日記】
イン直後神を呼びだそうとするジェミさん。
残像だったようです(´・ω・`)ぷぅ
特にオチを考えてなかった最悪なパターン。
◆
この日もジェミさんの具合はかなり悪かったようです。
トンカツはちょっと体に合わなくて、戻したりしてました;
なかなか体調が安定しませんね、最近。
ミトさんがからあげをくれました。
鬼畜ですね。いいと思います。
レモンで応戦します。
ビッシャァ!
早く寝ないと、からあげをブチこまれるようです。
準備OK!!
雄叫びを上げしララフェル。
レモン汁をかけたことがアダになりました。
産みの苦しみ!!
◆
数十分後、ミトさんがイシュガルド防衛戦より戻られました。
ひいいこれ以上ブチこまれたら爆発しちゃうよおおお!!
◆
FF13の話。
アフロの人に興味はありましたが、実はやってないです。
私の求めるアフロではなかった。
そいつが何をしたっていうねん……。
◆
ライトニングさんをよく知らないので、ミラさんがコスを見せてくださいました。
ミニすぎるでしょう。
パンツ丸見えやーん。
まったくです。
エロス!!
GOOD!!
◆
弟の部屋のエロ本を読んでみました。
溶けるぱんつ!!!
弟の部屋のエロ本は50音順に並んでます。
それはそれで狂気を感じる。
近親相姦ものと、戦いに敗れて陵辱される系が多いです。
変態!!
◆
今日はエイプリルフールでしたが、イベリコSSで力尽きました;
特に嘘をつかずに、今日という日を享受したいと思います。
これからもほうせき箱ブログをよろしくお願いしますうう!
★
【ねこプロ連絡網】
土曜日 4月4日の22時から、ジェミさんはフェンリル鯖に出張します。
詳細を知りたい方は、言ってくだし!
★
★
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